新たなボトムズのプラキットシリーズ展開! ウェーブの1/35 ラビドリードッグを思い切り楽しんでみました!

08.19.2014 · Category レビュー

 ウェーブが新たに展開する1/35スケールの「装甲騎兵ボトムズ」のプラモデルシリーズ。1/35としては初のプラキット化となる「ラビドリードッグ」が第1弾として発売されました。先行してST(スタンダード)版が3月に、6月には、コックピット内や降着ギミックを再現したPS(プロスペック)版が発売されました。

 すでに発売からしばらく経っているので、早速組み立ててみた方もいるかとは思いますが、非常に出来の良いキットなので、改めてご紹介してみたいと思います。


■素組みでPS版をチェック!

 キットとしてのプロポーションやディテールは文句の付けようが無いと言って過言ではないでしょう。

 ボトムズのプラキットシリーズは、オーパーツとも賞される当時の1/24スケールのキットの出来があまりにも抜きんでていたために、この30年間、主に1/24で展開してきました。逆に1/35は肝心のスコープドッグの出来映え故にあまり評価されてこなかったように思います。しかし、そんな「1/35はいまいち」的なイメージを払拭するに十分なキットです。

 TVシリーズのキリコ最後のATとなったのはもとより、本編での活躍、ストライクドッグの系譜などもあり、ボトムズでは珍しい主役メカ的なヒーロー性も兼ね備えているラビドリードッグ。旧1/35のラインナップのリメイクという位置づけではなく、キット化されていなかったこのATからのシリーズスタートというのも魅力的です。

■「狂犬」の名を与えられたAT.劇中では、ワイズマンの元へ走るキリコの豹変ぶりとも実にマッチしていました

■設定画のバランスを重視したプロポーションが格好良いのです

■幅の詰まった前後に長い胸回りなど、30年間の蓄積を感じさせる、誰もが納得いくプロポーションになっています

■各関節はポリキャップで過不足無く可動します

■各部パーツはほぼ設定通りに成形色で色分けされており、カメラやセンサーなどの細かい部分はホイルシールで再現する仕様。手軽に貼れるシールの採用は地味に嬉しいところです

■爆雷投下機能のあるミッションパックを装備。取り外しも可能です

■足の後ろ側に分割線が見えていますが、その他の部分はほとんど気にならない印象です。また、処理もしやすい場所にあるのです

 各部の関節にはやや固めのポリキャップが採用され、可動部をしっかりとホールドしてくれます。カメラの可動やアイアンクローの可動(内蔵のマシンガンの展開も可能!)、ミッションパックの爆雷投下機構の再現、コックピットハッチの開閉、そして、降着ポーズも可能になっています。

■左手のアイアンクローは開閉可能。内蔵のマシンガンも再現されています

■メインの四角いカメラはPS版ではクリアパーツが用意されています。内部も再現されているので塗装するとなお映える仕組みです

■カメラはスリットに沿って左右に可動。1/35では完成品などでもあまり再現されてこなかったギミックですよね

■バイザーが開きます。PS版だとしっかりフィギュアがのぞけます

■バカンとハッチが開きます。パーツ精度が高いので、ぴったり閉じるようになっています

■やはりフィギュアがあるとメカのスケール感が伝わってきて世界観が広がる印象です

■コックピット内部も再現されているので、しっかり作り込みたい人にはPS版はうってつけですね

■胸部左右のライトもPS版ではクリアパーツになっています。透明感が高くてキラリと主張してくれます

■ミッションパックはハッチが開閉して爆雷の滑るレースも展開できます。また、爆雷そのものも1個付属します

 特に降着ポーズは、当時の模型少年憧れのギミックで、それが1/35スケールで、しかもパチパチっと組むだけで再現されるというのは、まさに夢のようです。

 コックピット内部はシンプルながら、頭部の内側までディテールが再現されており、キリコフィギュア(ヘルメットをかぶっているのでギルガメス軍の兵士フィギュアとしても通用しますね)も付属します。

■PS版ならではのギミック、降着ポーズ! 1/35スケールのプラモデルでこれを手軽に楽しめる日が来ようとは!

■関節部がスライドして設定通りの位置まで胴体が下りてきます。昔はこのギミックが再現できなくて苦労したのですよね

■ミッションパックを装備したまま降着可能なのです

■足の裏はシンプル。こだわる人はディテールを追加すると良さそうです。サンドトリッパーはしっかりパーツ分けされています

■ソリッドシューターの持ち手は、指パーツの内側にダボが切ってあり、しっかりとホールドできるようになっています

 パーツの色分けもほぼ完璧で、精密カメラなどはシールで再現できる様になっています。ソリッドシューターやクローなどを部分塗装して、スミ入れ、汚し塗装まで施せば基本塗装無しでも見映えそうです。今回、メーカーの塗装サンプルを撮影できたので、見比べてみてもらえれば、イメージもつかみやすいのではないでしょうか。

■メーカー製の塗装見本です。現在では、ガイアカラーのボトムズカラーが用意されているので、簡単に劇中カラーが再現できます

■この時代のロボは塗り分けもシンプルなので、実際に塗装してみても手間がかからないのが良いですね

■この基本色をベースに自分なりに調整してみるのも良いかと


■PS版での新規パーツをチェック

 PS版では、コックピット内部や降着ポーズの再現のパーツが新規に用意されているほか、メインカメラや胸のライトがクリアパーツになりました。

■キリコフィギュアも付属します。タンクボンベが別パーツになっていたり、操縦桿との位置調整がしやすいように腕が可動するのがよいですね

■シートはもちろん足下まで再現(旧キットだと上半身だけとかありましたよね(笑))や頭部内側のパーツも再現されています

■メインカメラと左右のライトはクリアパーツに。透明度も高いです

■降着機構を再現するための新規パーツ。関節の軸が太いので関節強度も十分なのです

■同じく降着機構用の新規パーツ。こちらは脛の部分ですね。こうした細かな分割が行われても合わせ目が出ないよう工夫されているのです


■組み立てやすさや塗装のしやすさも特筆すべきレベル!

 この「ラビドリードッグ」は、非常に組み立てやすいのも特徴です。スナップフィットキットなのはもちろんですが、各パーツの合いも良いので、さくさくと組み立てられるのです。

 1/35スケールと言えば、ガンプラで言えば1/144スケールに相当するサイズです。ガンプラのHG(UC)シリーズなどを想像してもらえれば、簡単さが伝わるのではないでしょうか。

 掌など、形状再現やギミックなどの関係で一部パーツが細かく分割されていたりしますが、「ボトムズ」のキットとしては出色の組み立てやすさだと思います。

 しかも、前述したように色分け箇所でパーツ分割されているほか、概ね後から組み立てられるようになっているので、塗装する場合も後ハメの加工などの必要がありません。

 パーツ分割のポイントも非常に気を遣っていて、目立たないばかりでなく、合わせ目の継ぎ目消しもしやすい場所になっているのです。継ぎ目が出る箇所は、肩アーマー、太もも、ふくらはぎ、ソリッドシューター、クロー基部の内側くらいでしょうか。胸の分割箇所は、装甲の継ぎ目として処理されています。

 なお、アイアンクローのツメの内側に肉抜き穴が空いていますが、これはランナーやタグを詰めて、瞬間接着剤を流し込んで、硬化スプレーで固めてしまえばあっという間に処理できてしまいます。直線的な箇所なので、ヤスリも当てやすいのです。ついでにエッジをシャープに仕上げると、凶悪さが増しますよね。

■腕も細かく分かれるので、塗装後に組み立て可能です

■足も色分け部分でこれだけ細かく分かれます。全部後組み可能なのです

■太ももも分割線を端に寄せているので目立ちませんし、平らな場所なので、紙やすりを当てるのも容易なのです

■掌パーツの出来も素晴らしい! 適度に分割されていて、80年代以前のロボ特有の丸指の再現度が非常に高いのです

■なお、股関節は降着ポーズを再現するために上下に関節位置が可動します。これを利用して、足の長さを調整できたりもするのですよね


■気軽に塗装を楽しめるのは1/35ならでは!

 今回はメーカーから彩色見本をお借りできたので、それとは別に、2パターンの塗装を施してみました。1つは、大河原邦夫氏が描き下ろしたパッケージイラストを真似たカラーリング。そして、「ビッグバトル」に登場したメルキア軍カラーです。

■色分けがシンプルなので塗り分けが簡単なのもボトムズの良いところですよね

 大河原氏のイラストはアニメ登場版よりも、重厚な印象のカラーリングで非常に魅力的です。その魅力を半分も再現できていないかもしれませんが、イラストの調子に合わせて、アクリジョンで筆塗りしてみました。あえて筆の塗り跡を残すことで、使い方の荒いATならではの表面の荒れた感じが出せるわけです。

 塗装というとエアブラシがないと綺麗に仕上がらないと腰が引けてしまうかもしれませんが、ATなら戦車模型などと同様、勢いで仕上げてしまっても違和感がありません。粗めにスミ入れをしたり、汚し塗装も施せば、さらにそれっぽくなる上に、荒さも目立たなくなるわけです。それに1/35ですから、1/24にくらべて塗装面積もそれほどないので、筆塗りでも余裕なのです。

■パッケージを参考に濃いめの色合いで筆塗りしてみました

■マーキングも旧キットからの流用でそれらしいものを貼ってみています。シリーズが順調なら、デカールセットなんかも欲しくなってきますよね

■イラストの筆のタッチを再現しつつ、やや重めにタミヤのスミ入れ塗料で汚しを入れています

■ガンプラなどと違い、1/35スケールということや、ATの荒っぽい使われ方を考えると、荒さが逆に味になってくれるのです

 なお、ツメの肉抜き穴同様に定番工作とも言える、ミッションパックの取っ手はアルミ棒で置き換えています。

 マーキングは、旧1/35キットのものを流用しました。塗装したものは、ST版を使用しているので、カメラを薄い塩ビ板(適当なブリスターパックを使用。コンビニ弁当のふたなどでもいいですね)を4ミリ角に切ってクリアグリーンを塗って再現したほか、胸部のライトは、ウェーブのHアイズ・クリアの3mm径のものをはめ込んでいます。内側をシルバーに塗れば、それなりに見映えします。

■クローは黒鉄色をベース塗装した後、メタルカラーのアイアンを塗って磨いています

■ちょっとマーキングを貼るだけでも印象が変わりますよね

■勢いで塗っていますが、荒々しさが出ていると良いのですが・・・

 パープルのメルキアカラーは、ガイアカラーのボトムズカラーを使用しました。こういう専用色は本当にうれしいですよね。微妙な色を見事に再現してくれています。と、いいつつ、明るい部分は指定色ではなく、グレーFS36320を使いました。あくまで趣味ですから、設定に囚われずに自分のイメージで作れてしまうのが、模型の醍醐味です。

■エアブラシでパーツ毎に一気に塗装しました。パーツ分割されているので、非常に簡単に作業できました

■旧キットからパラシュートザックとライフルを拝借しています

 また、パラシュートザックとライフルを、旧1/35のキットから流用しています。なんとバックパックは、旧キットのものがほぼそのまま使えるのです。なんともうれしいですね。いくつか試したところ、多少、ラビドリードッグ側のアタッチメント部分を薄めに(ほんの少しですよ)調整してあげると良さそうです。ここはキットのミッションパックもややキツイ印象だったので、取り外しを考えている人には丁度良いのではないでしょうか。

■パラシュートザックはアタッチメント部分の幅がぴったり一致しているので、無改造で取り付け可能です

■ローラーダッシュ風のポーズで

■ライフルの持ち手は、指側のダボにあわせてライフルのグリップに溝を切り、指をまっすぐに伸ばして持たせています

■こちらはスミ入れのみで軽く仕上げてあります。塗装しても正味2日くらいで完成できる戦車模型みたいな手軽さは、このキットの醍醐味ですね

 「装甲騎兵ボトムズ」はTV放送終了から今年で30年も経過しているコンテンツですが、根強い人気がある上に、定期的に作品が公開されることもあってか、立体物もかなり恵まれているシリーズです。ガレージキットや完成品はもちろん、プラモデルも近年バンダイが1/20スケールで展開するなど、他作品に比べると非常に恵まれた状況でした。

 ただ、1/35スケールという非常に手頃であるはずのサイズは、ガレージキットでもほとんど展開が無く、非常に残念な気持ちでいました。旧キットもありましたが、やはり現在の目で見ると、組み立てやすいとはいえませんでしたからね。

 それだけに、1/35でのボトムズの展開はまさに吉兆。特に、この「1/35 ラビドリードッグ」は、組み立ても簡単で、ちょっと塗装に手を出してみるのにもうってつけ。ボトムズの世界を手軽に楽しめるプラモデルなのです。

 パッケージ同梱のリーフレットでは、旧1/24キット同様に、大河原氏描き下ろしのバリエーションが紹介されていますし、ラビドリードッグは、メルキアカラーの他にも、ゲームに登場した雪原仕様のアイスブルーの機体、「フィアズリードッグ」なんてものもありますよね。もちろん、自分オリジナルのカラーリングも楽しめるのが模型であり、「ボトムズ」はそうした俺機体に寛容な世界観です。「バトリング」なんてものもあるわけですしね。

 ウェーブの1/35ボトムズシリーズは今後もスコープドッグなどが予定に上がっていますが、こちらの発売も待ち遠しいですね。これだけ組み立てやすいと、続くキットもたくさん購入して、カラーバリエーションや組み替えが楽しめそうです。

 みなさんも、まずはキットを手に入れて組み立てて、ぺたぺたと色を塗ってみませんか? 週末などにさくっと組み立てて、一気に色を塗ってしまえる非常に優れたキットなのです。是非に!

■今後のバリエーション展開に期待が膨らみます!

1/35 装甲騎兵ボトムズ ラビドリードッグ PS(プロスペック)版
ウェーブ/2014年6月発売/5,184円(税8%込)/1/35スケール(全高:約13cm)

でじたみん Yahoo!店 でじたみん 楽天市場店

1/35 装甲騎兵ボトムズ ラビドリードッグ ST(スタンダード)版
ウェーブ/2014年3月発売/3,888円(税8%込)/1/35スケール(全高:約13cm)

でじたみん Yahoo!店 でじたみん 楽天市場店

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