君が気に入ったならハセガワのアルカディア号二番艦を組み立てろ!

04.14.2014 · Category レビュー

 ハセガワからCreator’s Worksシリーズの新アイテムとして松本零士の「宇宙海賊戦艦 アルカディア 二番艦」がリリースされました。ご存じの通り、この艦は1978年に放送されたTVアニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック』に登場したアルカディア号です。

 我々ファンが目にした最初のアルカディア号ですが、関連作品の時系列的には後発ということになり、現在では二番艦という設定になっています。ハセガワでは『劇場版 銀河鉄道999』版のキット(濃緑色の艦首ドクロの艦)を一番艦としてすでにリリースしており、発売当時からさっそく「TV版も出してほしい」という声が上がっていましたが、今回ついに待望の製品化が果たされたわけです。

 今回は、懐かしいこのアルカディア号のレビューをお届けしていきます。

■リアパースビュー。劇中でもお馴染みのアングル。なお松本零士氏のコミック版では艦体下部のアンテナが描写されていないカットもありますので、取り付けない、または接着せずに抜けるようにしておいて好みに応じて飾るというのも手です

 未来的な宇宙艦に大航海時代の帆船を彷彿とさせる意匠を組み合わせるという画期的なデザインがアルカディア号の魅力です。鮮やかなブルーのツートンカラーも考えてみれば斬新といえましょう。海外の映画に出てくる宇宙船はたいてい白やライトグレー、あるいは銀などモノトーンが基本で、実際の宇宙機をベースとしていますから「リアル」であることは確かなのですが、色に関してはこのアルカディア号のような発想はなかったといっていいと思います。

 さらに、砲塔の搭載位置や前檣楼とのバランス、背後にそびえる高いマストなど、第二次大戦頃の戦艦の要素も組み合わさっているとくれば、まさに「ロマンの塊」といっても過言ではありません。ハセガワのキットではそのデザインの妙味を心ゆくまで堪能できるのです。

 この二番艦アルカディア号のキットは、一番艦と比較しても様々な部分が進化しています。全体のバランスの解釈はさらに煮詰められ、各部分のデザインの再現だけでなく艦全体のラインが自然に繋がり、完璧なシルエットを作り出しました。

 今回の作例ではほぼ素組みとし、艦体の基本カラーを塗装した後に付属のデカールを使用して仕上げます。ガッツリとした、手の込んだ作り方ではありませんが、むしろ少ない労力でも見映えのするアルカディア号を簡単に作ることができるのが嬉しいところ。これは色分けされたランナーのおかげでもあります。

 自分の技量に合わせて、「ここだけ塗装にしよう」とか「ここはデカールでいいや」と決めながら作るのもプラモデルの楽しさのうちです。もちろん、「細部までぜんぶ塗装するぞ!」と気合いを入れて臨むのもアリです。ハセガワのこのキットの良いところは、大前提として部品の合いが良好で「組み立てやすさ」が保証されているところ。組み立て上の心配をする必要がなく、塗装や仕上げなどそれ以外の工程に好きなだけ労力を割くことができ、自分だけの方法・工程でフィニッシュされたアルカディア号を目指すことができるのです。

■TV版第1話で、真っ黒なシルエット状態から姿を現すアルカディア号を思い出す正面からのカット

 組み立ては細かいパーツなどもあるので、なくしたり、折ったりしないように気をつけましょう。特にあちこちに生えているアンテナなどの類いはなるべく最後に取り付けるようにします。接着剤は必須です。粘度のある普通のプラモデル用接着剤のほか、流し込みも併用するのが上手く作るコツです。

 塗装を考えた場合、艦首とメインの艦体を繋ぐ部分の色分けが最も難しい箇所となります。ここは分けておくことができないので、腕に覚えのある人は工夫して後ハメ加工をするか、素直にマスキングした方がいいと思います。今回の作例では中途半端ですが後ハメに近い加工にして塗装後にはめ込みました。

 それ以外の部分は甲板やキャビンの茶色にしろ、上に載せる艦橋ブロックにしろ、すべてきちんとパーツに分かれていますので、塗装後の接着で問題なく作ることができます。

 塗装に使用するカラーは基本的に組み立て説明書に載っているカラーチャート(塗装図)で問題ないのですが、今回は意識的によりアニメっぽく、カラーを明るめに調合しました。ひとつだけオススメのアレンジポイントを紹介するとすれば、ノーズ部分の一番明るいブルーを指定よりもかなり明るい色にすると良いでしょう。

 成型色のままだと少し暗く、パッケージや完成見本写真もその色に近く仕上げられていますが、劇中だとかなり明るさが異なる印象ですので、この部分だけ筆塗りでもいいので水色に近いカラーで塗ってやると、全体のイメージがガラリと変わりますよ。

 そのほか、艦首の左右に張り出したサイドポンツーン上に生えたアンテナは、説明書では垂直に接着すると指定がありますが、作例では劇中のイメージ優先で逆ハの字気味に取り付けています(ちなみに当時の設定画では垂直です)。それと、ノーズ上面の色の境目に生えた小さなアンテナは、真っ直ぐ前方を向けるか上面の傾斜に合わせるか悩んだ末、後者を採用しました。このあたりはどちらが正しいか、よりも各人の好みで好きに作ってよろしいかと思います。

■シャープなイメージのあった一番艦と比べ、全体的にふくよかさが増して優雅ささえ加わった印象

■基本色を塗装後、パネルラインに合わせて暗い色を吹きつけ。やりすぎは禁物ですが、適度に汚しを行うことで凄みが増し、海賊船らしい雰囲気になります

■艦首サイドポンツーン内に見えるフィンのパーツは、劇中のイメージに従ってノーズと同様一番明るい色を吹き付け、やや目立つよう仕上げました。上面のドクロマークは白の成型色で別パーツとなっています。ドクロの目の中は黒で塗るか、付属のデカールを貼ります

 艦体の各所に草柄のモールドが彫刻されていますが、これは上から付属デカールを貼る方法と、金色などで塗装する方法があります。今回の作例ではデカールとしました。モールドとデカールの柄を合わせつつ、最後に上から綿棒などで押すようにして馴染ませると、立体的なモールドに上手く色が乗ります。後檣のキャビンも同様です。

■砲塔は1本1本が分離となり、荒々しい砲撃戦の臨場感を再現することができます。砲口もスライド金型によって開口されています

 もう一箇所、地味ですが塗装図にはないアレンジポイントがあります。前檣楼(ブリッジ)の前方に縦に走るはしご状のモールドラインですが、劇中ではここが明るいブルーに塗り分けされています。TVのイメージに近づけたい場合は、ここも塗り分けてやるとそれらしくなりますよ! そのほか、前檣楼トップのレーダーアンテナの内側も塗り分けてみる、といった劇中再現もオススメ。

■艦尾のエンジンノズル部分もノーズと同色の明るいブルーで塗装。塗り分けはマスキングテープを使用して行います

 一番艦が発売された当初、「艦首部分をパーツ作り替えれば、TV版(二番艦)もバリエーションで出せるのかな」と漠然と考えていましたが、実はとんでもない間違いでした。作ってみるとすぐに解るのですが、各部のデザインに共通する点はあれど、大きさやバランス、曲面の繋がりなどがまったく異なるのです。艦体の太さもキャビンの形もまるで違いました。

 要するに、正真正銘の「完全新規金型」です。その意味では、この二番艦を製品化してくれたハセガワにはまさに「ありがとう!」といわねばなりません。

■艦尾のドクロの旗は、黒で成形された旗竿パーツにデカールを貼って制作。今回は無改造ですが、プラの厚みが気になる人はフチを削り込む、などの処理をすると良いでしょう。前檣楼の後ろのマストに巨大なドクロ旗を掲げるパターンもあり、それは組み立て説明書に印刷されたものを切り取って使用することになります

■ちなみに、台座の支柱は惑星ヘビーメルダーで息を引き取ったトチローの墓標をイメージしたものだそうです

■ハセガワの同スケールキット・アルカディア号(一番艦)とのツーショット。2隻が揃うと壮観なので、ファンはぜひ両方並べて飾ってください

■35年の刻を経て、21世紀のこの時代に完全新規キットでアルカディア号を作ることができるこの喜び!

■キットには同スケールのコスモウイング(ボレットZ)が付属。100円玉と比べても小さいですが、2パーツで構成されています

■成型色は白ですので、そのまま面相筆でチョイチョイと色を塗ってやればそれらしくなると思います。その後、軽くスミ入れを施します

■今回のオマケ写真。以前買っておいたメディコスの「超像フィギュアコレクション 銀河鉄道999」より、ハーロックのフィギュアを並べてみました(フィギュアはキットに付属しません!) カッコ良すぎて、もう言葉もありません……! 食玩やカプセルトイの類いは、後で後悔しないように見つけたら取りあえず確保しておくのが良いと思います

 現在、この二番艦が登場するTV版『宇宙海賊キャプテンハーロック』は店頭でのDVDレンタルも行われています。『銀河鉄道999』以降のハーロックしか知らない、というファンがいたらこの機会にぜひ観ていただきたいと思います。CSなどでは『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』の再放送もされているようですし、今、アルカディア号が再び熱い!

 君が男だったら、このフネを作れ!

1/1500 宇宙海賊戦艦 アルカディア 二番艦(1978TVアニメ版)
ハセガワ/発売中(2014年2月発売)/4,800円+税/全長:約31cm

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©2012 宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会

©松本零士・東映アニメーション
企画協力:零 Goods univers

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