発売迫る!タミヤの10式戦車を作ってみました!!

07.04.2013 · Category レビュー

 

 7月20日、いよいよタミヤの1/35MMシリーズで陸上自衛隊最新戦車である10式戦車が発売となります。昨年より配備も始まった最新鋭の第4世代国産戦車ですし、MMシリーズの完全新規金型製品ということもあり注目度は高いですよね。「ガールズ&パンツァー」登場車種というところでは、アニメファンも注目しているのではないでしょうか。なお、今回発売されるのは制式配備されている量産型です。劇中登場車は試作1号車なので、細部の形状が異なります。細かい話ですが念のため(笑)。今回試作サンプルが届きましたので、こちらをディテールがよく分かるよう未塗装で組み立ててみました。

 ランナーの状態を見るだけでも、タミヤらしい控えめなパーツ数と現用車両ならではの細かなディテール再現が目を引きます。パーツ数が少ないので見るからに組み立ても簡単そうです。また、履帯も組み立てやすいベルト式で、接着剤が使えるのはもちろん塗装も可能な素材になっています。

■鋭角な防盾や砲塔上面の滑り止めの再現、そしてキューポラを構成するパーツの細かなディテールなどが、モデラー心をくすぐります

 なお、各パーツを見ると極力パーティングラインが目立たないような工夫をされているのが分かります。戦車模型では鬼門とも言えるホイールのパーティングラインもパーツの端に配置されていて、金型の精度の高さも手伝って、ゲート跡の処理だけすれば十分という印象です。

■車体全体に施された滑り止めやハッチの数に驚かされます。シャープなモールドとゴム製スカートの表現のコントラストも見事です

 また、タミヤキットのお約束である詳細な解説資料が今回も付属します。10式戦車の開発経緯と車体のメカニズムなどが分かるほか、カラーの写真や塗装図も用意されているのはうれしいですね。キットを作る流れで10式戦車そのものにも詳しくなれるわけです。この部分にはどんな機能があるんだろう?と思ったら資料を見れば分かるようになっているのはさすがです。

 デカールは、富士学校 機甲科部所属車両、第1機甲教育隊 第2中隊所属車両、富士教導団 戦車教導隊 第1中隊所属車両の3種類が再現できるマーキングが用意されています。

 なお、今回成形色がグレーですが、これはサンプルだからで、実際には静岡ホビーショーなどで公開されていたとおりのオリーブドラブ系の色になるはずです。

■ドライブスプロケットは内側のサイドもしっかり開口されています。ラックの金網などを再現するメッシュパーツとペリスコープやセンサーの窓を再現する透明プラ板なども付属

 パーツ段階でも、組み立てやすそうな印象ですが、実際に組み立ててみると、パーツ精度の高さにまた驚かされます。接合面のすりあわせなどの必要はゲート処理以外では皆無で、切り出した瞬間に接着剤でスイスイと組み付けていけます。

 砲塔上面はパーツ数も多く、特にセンサー系は板状のパーツを組み合わせる箱組みとなっているので、やや手間が増えます。しかし、最初は「箱組みかー、歪まないように気をつけないと」などと思っていたのですが、組んでみてびっくり。寸分の狂いもなくパーツがぴったりと組み合わさります。戦車模型で良くある、一箇所ずれると全部ずれるどころか、そもそも一箇所たりともずれたりないという脅威の高精度でした。

 組み立て自体は、メッシュの貼り付けや透明プラ板の切り出しといったあまり経験しない作業過程で少々手間取ったこともあり、ゆっくりペースでトータル7~8時間かかりました。それでも休日の1日あれば組み上がるペースだと思います。塗装含めて2日というところでしょうか。

■車体周りの組み立ては非常に簡単に組み上がります。細かいことにこだわらないのであれば、ペリスコープの透明プラ板の貼り付けやラックのメッシュなどの作業は省略してしまっても良さそうです

 ヘッドライトのカバーにもメッシュを使用します。こちらはは目立つところでもあるので、頑張って組み立ててみてください。

 組み立て説明書ではメッシュをライト側に接着するようになっていますが、今回塗装しながら組み立てるというコンセプトではなかったので、エアブラシなどで吹き付け塗装を行うなら車体側に固定したほうが良いのではないかと考え、写真のようにメッシュを車体側に接着してみました。車体側の前面パーツとヘッドライトのパーツで挟み込むような形に組み立てますが、メッシュの入る隙間がしっかりと用意されています。

 ライトは透明パーツこそ使われていませんが、レンズが別パーツになっているので、市販の透明パーツなどに置き換えてみても良さそうです。白やメッキシルバーなどでキラリと光る仕様にしておくと、完成後メッシュの内側からイイ感じに存在感を主張してくれそうです。

■車体前面のパーツは両面テープなどで本体に仮留めして組み立ててしまい、塗装後にライト部分のパーツを接着してやるといいと思います

 メッシュの使用は、タミヤ側でもやや難易度が高いと考えているようで、ラック部分のメッシュは組み立て説明書でも上級者向けのオプションに位置づけられています。しかし、型紙に合わせて丁寧に切り出せば、時間はかかるものの、工作自体の難易度はそれほど高くありません。またメッシュは多めに用意されているので、切り出すのに多少失敗しても大丈夫です。うまく出来上がると満足度もかなり高いと思うので、是非チャレンジしてみてください。

■組み立て説明書に印刷された型紙に合わせてメッシュを切り出して接着剤でパーツに貼り付けていきます。メッシュを貼ったパーツを組み上げればラックの完成です

 完成すると、全長9.42m(砲身含む)/全幅3.24mという実車のサイズ通りのコンパクトな戦車が姿を現します。視線の高さを変えてみると結構印象も変わるので、是非手にとって確認してみてください。

■コンパクトながらエッジの立ったシャープな造型と一体感のあるボディデザインにうっとりします

■ワイヤーはプラ製なので取り付けも簡単。ラジエターグリルのも非常にシャープな造型となっています

■正面から見ると左右幅の小ささやその鋭角的な砲塔デザインなどがよく分かります

■前後に長い車体なので、正面寄りからみると車高があるようにも見えますが、真横から見るとこの通り

 実写映像などで走行中に翻っているのが印象的なラバースカートの造型は本当に素晴らしいです。サイドから前面に至るスカートは途中でパーツ分割されているので、しっかり接着して接着部分が目立たないようにしたいところ。ラバーブラックなどで塗装することでかなり雰囲気良く仕上がりそうです。

 タミヤさんによれば、当初はゴム素材なども検討されたそうですが、やはりスケール感を考えるとプラで再現した方が良いと考えたとか。その判断は大正解だったといえるでしょう。

■スラローム射撃の印象もあるので砲身を振っている姿もまた様になります

 砲塔に目を移すと、M2重機関銃や各種センサーなどの様々な装備が山盛りです。特にセンサー系の多さは現用戦車ならではですよね。車長用と砲手用の2つのセンサーはいずれもカバーの開閉が選択できます。今回は両方とも開いた状態で作っています。内側は透明プラ板で窓を再現するようになっています。

 透明プラ板は自分で切り出す仕様になっています。メッシュ同様こちらも組み立て説明書に寸法が印刷されているので、それに合わせて切り出すだけです。ある程度切れ目も付いていますが、定規などを使って丁寧に作業すると失敗も少ないと思います。こちらも切り出しに失敗しても余白がいっぱいあるので安心です。

■砲手用のセンサーは量産型では深めのカバー付き。奥の窓が開いているのが見えるでしょうか? 防盾下部には7.62mm同軸機銃の銃口が見えます

■防盾側の2つの照準器(向かって左が砲身先のものに対応、右側が直接照準器)もシャープな仕上がりです。砲口や砲口照合器はそれほど穴が深くないので、塗装の際にスミ入れなどでしっかり影色を落としておきたいですね

■後方から見た際のディテールの多さも好印象です

■キューポラ周辺は非常に密度が高く見所一杯です。C4Iにも関わる車長用のサイトはポリキャップで回転するようになっています

 車体も前面や後部などディテールが多くて、その仕上がりがシャープなのは言うに及ばず、見ていてとても楽しいです。エッジにヘッドライトが光る形状も良いですよね。車体自体は天面に左右のスカートを取り付けるだけのシンプルな構造なのですが、ライトや細かなフックなどのシャープなモールドのパーツを取り付けていくことでさらに密度感が上がっていく印象です。

 なお、転輪はスカートでほとんど隠れてしまいますので成形に神経質にならなくても大丈夫そうです。サスペンションアームはダボで固定されているお馴染みのタイプ。ダボを切り飛ばせば、ジオラマなどで可動を再現させることも可能です。

 また、ロードホイールのアームは角度を選べる仕様になっているので、お好みで履帯の張り具合を調整することもできます。説明書通りでは、少々ゆるめの印象ですが、取り付けやすさを考慮したり、たるみ具合などを再現するならば丁度良いと感じました。

■細かなパーツを取り付けていくことで、密度感が上がっていくのがとにかく楽しい感じです。砲塔基部の奥まったところに見えるドライバーズハッチは右にスライドさせた、開いた状態にもできます

■車体後部も砲塔を旋回させると各種ディテールが顔を覗かせます

■後部ラックはやや手間のかかった場所だけに思い入れも満足感も高いポイント

■砲身は上下に、環境センサーも折りたたみ可能です

■隊員は車長と砲手の2名が付属します。制服の迷彩塗装が大変そうですがっ……!!

 というわけで、さくっと組み立ててみたタミヤの1/35スケール10式戦車ですが、とにかく楽しかったの一言に尽きます。組みやすさがとても考慮されたキットなので、作っていてとにかくストレスがありません。メッシュなどちょっと手間取るところもあるにはありましたが、そうしたところは組み上げた後の満足感という形で返ってきます。

 今回、アンテナなどを伸ばしランナーで再現しましょうという項目がないのも、初心者を意識してのものなのかなと思いました。こだわる人は言われなくても自分で解決してしまいますものね。アドラーズネストから発売される「1/35 陸上自衛隊 10式戦車用アンテナSet」を使用してみても良さそうです。

 最近になって戦車模型をはじめたという人や、それこそ初めての人でも、十分に組み立て可能なキットです。発売されたら是非サクサクッと作ってみてください。満足度の高さは120%保証しますよ! もしご要望が多いようなら塗装もしてみますので、リクエストいただければと!

1/35MMシリーズ 陸上自衛隊 10式戦車
タミヤ/2013年7月発売予定/4,830円 (税込) /1/35スケール 全長:約27cm(砲身含む)

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