バンダイVF-1バルキリー開発スタート!河森監督の監修会に立ち会う

11.29.2012 · Category レビュー

 10月某日、アニメーション制作スタジオ・サテライト会議室に模型誌を出版する各社の編集者が集められた。バンダイ主催によるこの集まりの目的は、河森正治監督による「1/72 VF-1バルキリー」の“監修”への立ち会いであった。

 全日本模型ホビーショーの会場で衝撃的に発表されたバンダイの新たな挑戦は、それを知ったファンのみならず、アニメ・模型業界の著名人にも驚きをもって迎え入れられた。それはそうだろう。ガンプラシリーズや、1/72 VF-25メサイアなどを世に送り出しているあのバンダイが、ついに「バルキリー」の設計に乗り出すというのだ。それも、完全変形モデルだという。


■河森正治監督によって監修を経た「1/72 VF-1バルキリー【光造形試作】ファイターVer.2」。この立体についての監修が行われ、我々マスターファイルブログ(=GA Graphic)からも2名が立ち会った

 どんなアイテムになるのか? どのような技術が注ぎ込まれるのか? 恐らくニュースを知ったすべてのファンは今、その全貌が姿を現すのを期待のまなざしを向けながら待っていることだろう。

 メディアに公開されることになった監修会は、ファンの熱狂に対するバンダイのひとつの回答ともいえる。今回のプロジェクトは、「マクロス」関連模型の史上において間違いなく一大事である。その潮流を、空気感を、ライブ感を、VF-1バルキリーを愛するすべての人と共有したい──。そんな想いが見て取れるのではないだろうか。


■「ファイターVer.2」。ベントラルフィンが欠けているのは監修や各社による撮影作業を経たからで、その過程を物語っている。どうかご了承いただきたい

 このたび、我々GA Graphicは「ヴァリアブルファイター・マスターファイル」シリーズを発行している縁で、バンダイ ホビー部との連携によりこの「1/72 VF-1バルキリー」の紹介記事企画を進めることになった。今回の記事はその予告編とでもいうべき位置づけにある。今後、バンダイのサイトやマスターファイルブログ上で展開する「1/72 VF-1バルキリー」の解説記事をぜひ楽しみにしていてほしい。


■これで修正作業が終わりというわけではない。今後も続けて河森監督の監修は行われる。また、これはファイター形状監修用の造形であり、バトロイドは別途試作が行われるという

 この日行われた監修は、バンダイと河森監督にとって初めてのことではない。すでに第1回の監修の後、形状の修正が入れられている。ホビーショー会場で監修前のデジタル設計画像が公開されたが、あれからわずか10日で修正を完了した立体モデルが出力されていたことは驚きだ。バンダイがいかに本気であるか、そしてその開発力の高さには唸らずにおれない。

 監督は実際に立体となったVF-1のモデルを手にしながら、図面へ具体的にラインの修正点を描き込んでゆく。その目はわずかな曲面のアールの違いを見逃さない。翼の前後幅、胴体から尾部ブロックへの形状の繋がり方、バトロイド形態における上腕部の長さ、など例を挙げればキリがないほど、こだわりの修正が続く。


■「ファイターVer.2」後方パース。手に持つと、その小ささがよく分かる。この中に、やがて変形機構などが組み込まれてゆくのだ。バンダイがプロポーションとギミック、そして作りやすさをどうバランスさせてくるのか、楽しみだ

 設計の手順としては、まずファイターとバトロイドにおける各パーツの配置と形状を決定し、その後、可動や変形のための機構を組み込んでゆくのだという。現在はその形状の煮詰めを行っている段階だ。

 35年という長い時間に、VF-1バルキリーの形状やプロポーションには一定の「解答」が確立したといっていいだろう。しかし、監督が意識しているのは、当時のアニメ制作体制上の「妥協点」に関するものともいえる。TV用デザイン画は、作画する上で困難な部分の簡素化を前提としたもので、「本来はこういうデザインにしたかった」という思いも少なからずあるようだ。


■「ファイターVer.2」上方パース

 監督が各誌のインタビューなどでよく口にする「マクロスの映像作品は、再現映像のようなもので史実とは限らない」という趣旨の言葉に象徴されるように、映像作品で描かれるバルキリーの姿は、それを観察した第三者による「再現」であって、本物の姿とは異なるかもしれない、ということだ。監督はその本物の「真の姿」を常に意識しているのだ。


■監修中の河森監督と、バンダイ ホビー部の内田氏

 今回の監修会で我々は、バンダイの「1/72 VF-1バルキリー」プロジェクトにおいて、監督が思い描く、より「本物に近い」バルキリーの姿が形をともなって現れるに違いないとの確信を抱いた。その上で、バンダイは高度な変形機構やギミック、さらには組み立てやすさなどへも配慮した究極のモデルを仕上げてくるはずだ。

 プロジェクトはまだ始まったばかり。これから発売まで、このVF-1の開発経緯を見守っていきたい。

◆ ◆ ◆

 以下は、最初にバンダイから提示された“叩き台”としての立体(ここでは便宜上【Ver.1】と表記する)と、河森正治監督からの監修を経た2つめの立体(同、【Ver.2】)との比較を掲載する(今回の公開監修会では、このVer.2に対しての監修が行われた)。


■こちらが「ファイターVer.1」だ。河森正治監督の監修を受ける前のいわば「叩き台」とでもいうべき立体である


■【Ver.1】:上面



■【Ver.2】:上面。尾部ブロックの前後長、幅が大幅に変化。またグローブの六角形形状も異なる



■【Ver.1】:下面



■【Ver.2】:下面。脚の間に挟まれた腕部が収納される部分のクリアランスに調整が施された


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:フロントビュー。形状のバランスを見るためのものと割り切られており、インテークなどもシャッターが閉じた状態になっている。インテークは最新の解釈によりやや「ハ」の字に開いた状態とされたが、最終決定であるかについて現在の段階では断定できない


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:リアビュー。尾部ブロックの厚さが調整され、腕部を収めるクリアランスが確保された


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:サイドビュー


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:機首は、ノーズの長さが調整されたほか、キャノピーの曲線ラインも変わっている。また、インテークの位置が前進した


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:機体下部の頭部ターレットは大きさの調整のほか、機体により密着。なお、このVer.2の監修でも大きさに関しては再度調整が提案されている。バトロイドとなった際にもプロポーションに大きく影響する部分だけに、両形態でバランスを取るのはなかなか難しい


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:尾部ブロックは幅が調整されたほか、グローブからの面の繋がりが修正されている。この部分はなお調整が必要な箇所だという


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:グローブの厚みがやや増し、この部分でも揚力を発生させるVF-1らしい形状へと修正されている


■上【Ver.1】/下【Ver.2】:今回のバンダイ版VF-1バルキリーでは、機首の断面がおむすび型の印象を与えるよう河森監督から指示があり、やや強調された形状となっているが、このあたりもさらに微調整が加わる

 マスターファイルブログでは今後もこのバンダイ 1/72 VF-1バルキリーの開発進捗状況をお知らせしていく予定。また、バンダイ ホビーサイトでも開発者による開発進行ブログが公開されているので、こちらも合わせてチェックしよう!(アクセスはこちら

©1982 ビックウエスト
※掲載しました写真は開発中のため、実際の製品と異なる場合がございます。

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12 件のコメント バンダイVF-1バルキリー開発スタート!河森監督の監修会に立ち会う

  1. まっつん says:

    過去の1/72可変バルキリーVF-1Aの茶キットを全塗りで、マックス機にしてたら、
    本体の倍以上のお金が掛かってしまいました(TT)

    さらに腕の付け根パーツがポーズ替えていたら折れてしまい、
    部品注文しようとしたら、「古いキットなので、在庫がありません」と言われました(TT)

    成型色は白でいいのに、なんで茶色・・・。
    なのに頭だけ白・・・。
    (結局統一するために、白も茶色も必要)

    (後にコンパチモデルが出たようですが)

    本商品発売前に再販してください・・・。

    あれはあれで(当時の技術で)よく出来ていると思います。

    そして、私も、アーマードパーツ希望です。

    脱着可能で、プロポーションの両立希望。

  2. 匿名 says:

    アーマードを頼む!変形しなくてもいいからかっこいいアーマードが欲しい!!

  3. 匿名 says:

    これとは別にプロポーション重視の三形態が商品化されるともっと嬉しいのだけど….

  4. 匿名 says:

    明けましておめでとうございます。
    僭越でありますが、アイデアの一つとしてタンポン印刷を検討頂ければと思います。

    VF-1シリーズが商業的に成功するにはどれだけガンプラユーザーを取り込めるかにあると思います。
    ハセガワやWAVEのキットは塗装前提の為、一般的なユーザーに敷居が高いように感じます。
    また、可変モデルだと塗装のクリアランスがシビアで簡単フィニッシュの方も多いのではないかと思います。

    そこでYAMATOのVF-1シリーズと同等のタンポン印刷を行ってみては如何でしょうか。
    ヘービーユーザーの方にはプリント無し、S,J,Aのコンパチ、水写デカール付属で
    どうでしょうか。
    続報期待しています。

  5. ミンメイ says:

    VF-1大好きなので期待してます。
    第1弾はVF-1Jで確定かと思いますが、
    以降のラインナップは本命のVF-1Sストライクバルキリーをお願いします。
    出し惜しみするとHI-METALのように先細りし、打ち切りが心配です。
    鉄は熱いうちに打ての精神で
    第2弾 VF-1Sストライク フォッカー機
    第3弾 VF-1Sストライク/Sスーパー 輝機
    その他カラバリは状況を鑑みて一般流通、魂商店が良いかと思います。
    頑張って下さい!

  6. 匿名 says:

    VF-1大好きので期待してます。
    ラインナップ第一弾はVF-1Jだと思いますが、
    以降は本命のVF-1Sストライクバルキリーをお願いします。
    出し惜しみするとHI-METALのように先細りしてしまいます。
    鉄は熱いうちに打ての精神で
    第2弾 VF-1Sストライク フォッカー機
    第3弾 VF-1Sストライク/Aスーパー 輝機のコンパチ
    他のカラバリは状況に合わせて一般流通や魂商店が良いのではないかと思います。
    開発頑張って下さい!

  7. 匿名 says:

    はじめから設定見直しもありなら、ガンポットの牽下と増装パーツの脱着の方法なんとかしてほしい
    25のようにならないようお願いします。(アーマードは変形オミットか?)
    スーパーやストライクの状態で飾るには家族の視線が・・・
    それでも作りますけどね全部盛りを期待してます。

  8. 匿名 says:

    スナップフィットにするためにギミックを犠牲にして欲しくないな。
    イロプラとスナップフィットにこだわらなくてもいいと思うんだが?
    作るのが面倒って人は、スナップフィットでも作らないから

  9. コ チュウイ says:

    完全変形と言っても、いつもある部品は差し替えしなきゃいかない。もし今度は、バンダイが吸い込み口(日本語で吸い込み口か?)までもよくできたら、これからヤマトの1/60バルキリーをやめようとする。今回の製品に期待してる。私たち中国のマクロスマニアもずっと応援してあげる。(僕の日本語はまだ上達にならないので、文法的のミスを無視してね。)

  10. 柿崎 says:

    発売日が待ち遠しい!。プロポーション維持のため差し換えなんてなったら興醒めだけど。

  11. 匿名 says:

    完全変形に期待!バルキリーは変形してなんぼ!

  12. 匿名 says:

    これマジでこれでちゃんと変形すんの?!いい意味で信じられんのやけど。
    変に軸とか見えるんだったらあっさり差し替えでもいいのに!

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