【連載】ウェーブのバイファム徹底解説:企画の発端と製品仕様

11.02.2012 · Category インタビュー, レビュー

 ウェーブが発売を予定しているガレージキット「1/100 バイファム」を解析する連載の第3弾は、企画の発端と製品の詳細情報を中心に紹介していく!

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 昨今のガレージキットは生産技術の向上もあって精度も高く、また単なる「オリジナル形状の複製品」という域を超えてユーザーフレンドリーな模型へと進化している。カラーレジンやマルチマテリアルを使用し再現度も高くなり、さらに組み立ての手間が軽減されて比較的手軽に完成した状態へ至ることが可能だ。

 ウェーブのバイファムは、それをさらに一歩進めたものだ、と前回詳細に解説した(前回の記事はこちら)。では、そもそもこのバイファムが誕生したきっかけとはどういったものだったのか? 説明しよう。

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■劇中の設定通り、ハッチとバックパックが開閉しコクピット兼脱出ポッドを収納できるギミックが再現されている。このほか、このギミックをオミットして可動を優先させた通常の胴体も同梱される

 実は今回のバイファムはGA Graphicの書籍の計画がきっかけだった。80年代サンライズアニメに自分たち自身はもちろん、一定のファンが付いていることから、昨年「マスターファイル メタルアーマー・ドラグナー」を発行したが、もちろん「銀河漂流バイファム」も候補には入っていた。そしていよいよ書籍の本格的製作に入ろうとしていた頃、ある日フィギュアのサンプル撮影でGA Graphicを訪問したウェーブの永見氏との雑談の中で、「バイファムやりましょう!」というお互いの合意が得られたところから、このプロジェクトがスタートしたのであった。

 永見氏と我々に共通していたのは、「良い物を作りたい」という想いだった。もうすぐバイファムは30周年を迎える。このまたとない機会に、最高のガレージキットを出したい。GA Graphicでは書籍用に温めていたデザイン画稿を形状の叩き台としてウェーブに提供し、これを参考に設計担当の毛利重夫氏がこのバイファムを創り上げたのだ。そして目下、GA Graphicの書籍の計画も進行中である。近々、こちらも詳細を発表するので楽しみにしていてほしい。

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 ウェーブのバイファムは、前回説明した通り、可動と色分けを両立させたパーツ分割により、無塗装で組み上げるだけでイメージに近い立体を完成させることができる。このページに掲載している写真は、この無塗装の完成体にスミ入れのみを施して仕上げたものだ。「塗装」という初心者にはハードルの高い工程を省くことができる。もちろん塗装したい人はぜひ完全な形で完成させてもらいたい。

 パーツの分割はデジタル設計によって、プラモデルかと見まごうような複雑なものになっている。そのパーツ数は総計でなんと383。色分けは10色のカラーレジンを使用しており、その中には頭部のバイザーや脱出ポッドのキャノピーなど透明パーツも含まれる。

 素材にも特徴があり、スリングパニアーの翼や関節軸などには通常のレジンキャストではなく、硬質レジンと呼ばれる組成の異なる材料が使用されている。これは素材特性的にはABSに近いもので、薄い形状のパーツの成形時に歪みの発生が少ないことと、関節の保持力が向上することの2つの利点がある。

■スリングパニアーの接続アームもこの硬質レジン製。可動軸で収納状態と展開状態を再現できる分離式のパーツと、写真のように支持架とした一体型無可動パーツの両方が付属する

 性質そのものは非常に優れているのだが、通常のレジンと異なり、恐らく粘性が高いのだろうと考えられるが、あまり複雑な形状のパーツの成型には適さない。また材料費が非常に高額なため、現在では部分的に使用されるに留まっている。しかし、この硬質レジンを投入したこともバイファムの新しいチャレンジの1つだといえる。

■バイファムの頭部はTV版とOVA版、2種類の形状のものが同梱される

 バイファムの頭部はTV版とOVA版の異なる2種類が付属。また、脱出ポッドを内蔵するために前後のハッチが開閉するものと、開閉しない通常のものと、胴体は2種が付属する。これは、ハッチ開閉ギミックのために、わずかに腰周りの可動が制限されるためだという。通常の胴体はスリングパニアー装備時にも使用する。

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■ビームガンのグリップは手首パーツを固定してしまう方がポーズ保持には便利。ビームガン単体で飾りたい人向けに、グリップは2つ付属するのが嬉しい(銃身内にポリキャップを内蔵し、差し替え可能)。また、両手保持が可能なよう、フォア・グリップ用の左手首パーツも同梱されている

 さらに、ビームガンは保持力を高めるために、手首とグリップを組み合わせて一体とするパーツのほか、ビームガン単体で飾ることができるよう、もう1つグリップが別途用意される(つまり、グリップが2種類)。バックパックもスリングパニアー装備時に丸ごと交換するため、設計は異なるが同様のパーツが2種類入っている。

■豊富に付属する手首パーツ

 このように、ユーザーの利便性やモデルそのもののバリュー(可動、形状など)を損なわないために、一見重複と見えるパーツを惜しげもなく同梱しているのもこのキットの特徴なのだ。そのほか、水転写式のデカールも付属。ロディが乗った「7」番機以外も製作可能となっている。このキットを買った人は、その豪華さに必ず満足するはず!

 パーツ数が多いのでパッケージそのものもかなり大きく、見映えのするものになる予定とのことで、コレクションアイテムとしての価値も高いはずだ。ガレージキットバイファムの決定版とも呼べるウェーブのガレージキットの発売を、ぜひ楽しみにしていてほしい。

 次回はいよいよ、製作者のコメントを掲載する。バイファム設計に込めたものとは!?

 

毎週金曜日、PM12:00更新 次回更新は11月9日 PM12:00!!

Exceed Enthusiast Elite バイファム
発売時期未定 / 価格未定 / 原型製作:毛利重夫(ウッドベル工業) / 1/100スケール カラーレジンキャスト製未塗装組立キット 全高約170mm

©サンライズ
※掲載しました写真は開発中のため、実際の製品と異なる場合がございます。

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