巨神ゴーグ ガレージキット開発者に訊く!30年の想いの結晶

02.08.2013 · Category インタビュー

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 サンライズが30年近く前に放映したTVアニメ『巨神ゴーグ』は、南海の孤島に眠る異星人の遺産をめぐる冒険譚であり、現代的メカの描写をも織り交ぜつつ、リアリティのある物語が展開された。

 スーパーロボットやリアルロボットというジャンルが明確に区別されつつあったその時代にあって、否、21世紀になった現在でも、ゴーグというロボットはひときわ異彩を放つ存在である。主人公・悠宇の“友だち”であり、オウストラル本島の住人たちにとっては“神の使い”であったゴーグは、ほかのアニメのロボットたちにはない「神々しさ」「神性」に近いものを感じさせる。

 だからこそ、特別な思い入れを抱いている人も多いはずだ。これまで紹介してきた記事の中にも登場する、開発者・T-REXの元木さんもその1人だ。

 今回は、一連の紹介記事の最後の締めくくりとして、その元木さんにお話をうかがった。なぜゴーグをキット化しようとしたのか? 30cm版と18cm版の2つを作ったのか? 1人の職人の想いの結晶が、ここにある!

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元木博行(モトキ ヒロユキ)さん
株式会社ティー・レックス(T-REXTOYS Co.)の取締役。同社は玩具、ホビー、そのほか工業製品の企画、デザイン、設計開発を専門に行うメーカーで、多くのメーカーからの依頼でホビーアイテムを開発している。
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── 巨神ゴーグのキットを作ろうと思ったきっかけを教えてください

 元々「巨神ゴーグ」という作品が大好きで、玩具設計という仕事についてからはお付き合いのあるメーカーさんには「ゴーグ」やりませんか?とずっと言ってました。

 でもなかなか、タイミングといいますか難しく何年か経過し、WFに出展するようになってからしばらくして、もう仕事としてではなく自分で作るしかないんじゃないかと・・・

 最近の流れからすると、どこかのメーカーからいつ発表されてもおかしくない状況のような気がして、どうしても「ゴーグ」は自分で設計したかったので、作業は仕事の後一日一時間(土日はフルタイム)と決めてスタートしました。

 

── 普段はメーカーのホビートイを設計されているそうですが、ガレージキットとの大きな違いや、そのために苦労された点はどういったところでしょうか?

 やはり金型を前提にしてるかどうかで、設計方法は全然変わります。最近の設計ではパーツ数も300パーツ以上になりますし、素材もABS・POM・合金・PVC等を用途に合わせて使い分けられますので、作品によって柔軟に対応出来ます。

 しかしガレージキットでは、当然高額すぎて金型は使用出来ませんし材質もレジンキャストになりますから、そのへんの強度も考えて設計しなくてはなりません。今の技術なら金型設計したパーツを出力して、強度が必要なパーツは真鍮に置き換えることも可能ですが、現実的ではない価格になってしまいます。

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■ゴーグはCADによるデジタル設計で、原型師が人の手で作るには難しい造形を、短時間で設計できるメリットがある。しかし、設計には豊富な経験とノウハウの蓄積が不可欠で、元木氏のプロ設計者としての技術がこれらのパーツには込められているのだ

 はじめから「完成品玩具のように頑丈で弄れる」「ゴーグが好きなら人なら誰でも組み立てられる」「可動はするが自然なポーズがとれる」の3点は決めていたので、どう設計するか悩みました。そこで、材質はABSキャストを使用し強度を確保しました。

 次に、だれでも組み立てられるように「接着剤不要」「ねじ留め」「カラー成型」にしました。ニッパ・デザインナイフ・両面テープ この3つがあれは組み立て出来ます。

 最後に可動ですが、これが一番苦労しました。メカっぽくアレンジしてしまえば、いくらでも可動させられるのですが、やはり劇中のイメージを再現したかったので軟質素材を使用しました。しかし、実際に出力してみないと分からない部分もありますし、一発勝負だったのでドキドキしました。

 

── 大きい30cmのモデルの次に18cmのモデルを作ったいきさつを教えてください

 最初は、価格等の事も考えて、18cm版で行こうと思っていたのですが、WF申請用に出力する際に無可動の30cm版にしてみました・・・それを一度見てしまったら、もうこのサイズで行くしかないと。やはり、ゴーグは大きくて頑丈でないと!!と思っていたので。しかし、そこからが大変でした。当然価格も上がりますし、出力&注型費もハンパありません。

「T-REX」と会社名を使用していましたが全て自腹なので、あまり数も作れないしそんなに売れないだろうと思っていました。ですがゴーグファンの方々に購入して頂き、初回、再販と完売することが出来ました。その中で当然と言えば当然なのですが、「欲しいけど高い」というお声を多数頂き、ゴーグ好きな方みなさんになるべく行き渡るように、当初から予定していた18cm版をつくりました。

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■左が第1弾アイテムの30cm版ゴーグ。この外形を60%に縮小し、関節機構を見直したものが右の18cm版だ

 

── この2つはどのような点が共通で、またどのような点が異なりますか?

 CADで設計しておりますので意匠はそのままです。それを60%のサイズに変更し、価格と遊び易さを考慮して間接部分を専用パーツから既製品に変更しました。それによりさらに組み立て易くなったと思います。それと30cm版で気になった手甲パーツ等を軟質パーツに変更してます。

 

── ユーザーへのメッセージなどありましたらお願いします

「ゴーグ好き」だけど、ガレージキットは知らないという方にも組み立てて頂けるように設計しております。このキットはけして敷居の高いものではないので、組んでガシガシ遊んで頂けましたら非常に嬉しいです!!

 あと、T-REXとして新たな発表があります。ゴーグ好きな方は是非当ブースへお越し下さい!!

【株式会社ティー・レックス 取締役 元木博行】
ティー・レックス オフィシャルサイト:http://maruta.be/trextoys/

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 上の写真は、今回の記事製作に当たって元木さんから送られてきた画像である。

 ゴーグの目が光ってる!! これは一体……? WFでその答えがわかるはず!!

【次回へ続く……?】

ノンスケール フル可動 巨神ゴーグ(18cm)
イベントにて頒布 / 15,000円(WFにおける頒布価格)

©サンライズ

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